派遣とは?/ ノーローン
[ 324] 社説:空自派遣見送り 支援重ね信頼関係強めよう - 毎日jp(毎日新聞)
[引用サイト] http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080601k0000m070093000c.html
中国・四川大地震で政府は、検討していた航空自衛隊の輸送機派遣を見送った。テントや毛布など救援物資の輸送は、民間機をチャーターして実施する。中国側に自衛隊受け入れに対して慎重な意見があることに配慮したものだ。 自衛隊派遣が実現していれば、日中関係の歴史的転機になったのは間違いないが、中国側の環境が整っていない以上、見送りはやむを得ない。 自衛隊派遣の選択肢は日本側からの提示だった。地震発生直後、政府は支援策として、資金援助、物資援助、緊急援助隊派遣、医療チームの派遣、自衛隊派遣の五つを中国側に示した。特に、緊急援助隊、医療チームの活躍は、中国政府、国民から高い評価を受けている。自衛隊は過去、スマトラ沖大地震などの派遣で実績を積んでおり、日本政府が支援項目に自衛隊派遣を挙げたのは当然だった。 今回の自衛隊派遣話は、中国側から在北京日本大使館の駐在武官にもたらされた。輸送手段は「自衛隊機を含めて検討してほしい」との要請だった。ところが、日本のメディアで自衛隊機派遣が大きく取り上げられると、両国政府は一転、派遣見送りにかじを切った。 まず、中国側のコンセンサス作りに問題があったように映る。自衛隊受け入れについて一枚岩の体制がつくられる前に、日本側に派遣容認を伝えたのではないか。旧日本軍の侵略の歴史から、中国国内には自衛隊アレルギーが根強いといわれる。派遣が報道されると、中国国内にインターネットで反対意見が広がったが、こうした反応への見通しも欠いていたとみられる。 中国側の条件が整わないままの自衛隊派遣は、反日運動のターゲットになるおそれがある。「摩擦を起こしてまでやる話ではない」(町村信孝官房長官)との最終判断はうなずける。 派遣をめぐる両国政府のちぐはぐぶりの結果、一刻も早く物資を届けたいという日本側の善意が空振りに終わったのは残念だ。何より大切なのは、未曽有の災害の被災者の早期救済である。被災民は、行き届かない救援に不安といらだちを募らせている。日本政府は、先に決めた資金・救援物資の5億円拠出に加えて、5億円の追加支援を表明した。今回のテント、毛布などの提供にとどまらず、中国側と緊密な協議を重ね、さらに幅広い支援を検討すべきである。 先月来日した胡錦濤国家主席と福田康夫首相は、共同声明で戦略的互恵関係の「包括的推進」をうたった。その前提になるのは、両国政府・国民の信頼醸成である。救援活動の積み重ねが、これに大きく寄与するのは間違いない。その先に両国が「普通の隣国関係」に発展できる道が開ける。 シルク・ドゥ・ソレイユ日本初の常設シアター 初演目「ZED」【特集】小栗旬が見たシルク・ドゥ・ソレイユ 毎日jp掲載の記事・写真・図表など無断転載を禁止します。著作権は毎日新聞社またはその情報提供者に属します。 |
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